ずっと気になっていること

昔から密かにずっ…と気になっていることがある


下の画像はショパンのscherzo2番から
ちょうど山場のところ

ページ始めには見ての通りff semple con fuoco(ドイツ初版)
(フランス初版ではff semple)
緑でマークしたcalandoはまだ先、そこまで減速の指示は無い。

ff→f→meno f→dim.への減量はあるが
ff→fと言っても、下降するので意図的に落とさなくても
普通に弾いていれば必然的にfに落ちるはず。

何度も同じ形を繰り返して減量しつつも
calando頭まで減速はあり得ない。


ここを最も理想的な速さで弾くのがsultanovで、
当時の私は彼を真似ようとして指が崩壊しかけた。。
(そもそも絶対ムリだけど)




画像に戻って、始めのcon fuocoから順に見ると
下降してきて行きつ戻りつするだけなので複雑なことは特に無い。

ところが実際は
前のページからの勢い、速度、そしてfを維持したまま
きちんと弾くのは至極困難であり、

正確に弾こうとすると減速するか
con fuoco始めから遅めの安全運転にしておくぐらいしかなく、
でもそれでは音楽が死ぬ…

sultanovの速さおかしくない?
マネできない、理解不能

などと
悶々としながら20年以上の時が過ぎた…


…………………………………………………………………

久しぶりに、というか
こんなにscherzo聴くの初めて?なほど
YouTubeでscherzo2番、問題の箇所を
上がってくる順に聴いてみる


驚いたことに、いや、予想通り?
名だたる人たちもここに来ると揃ってクオリティが下がる

その前まで良くても
con fuocoに入ってから途中みんな弾きづらそう


楽譜に無い突然の減速(失速)
指も回りきらずもつれたり、
急に浅い打鍵になり3連符がいい加減、弾ききれてない
だんだんモタモタor急にモタモタ
はやりの?buniatishviliは雑でひどすぎ話にならない
アントルモンに嫌われているkorean1位は遅い
弾けそうに思えるchinese大スターもここだけ急に失速、
不可解にゆらす変なテンポ


隣の鍵盤に触れるわずかなミスよりも
ミスを避けるあまり遅すぎたり
奇妙に失速する方が100倍気になる
違和感しかない



始めから安全運転な速度で途中もたつくも上手く誤魔化すkissin(6:51~)
つまり
ここで減速せずに突っ込んでいき収束するまで正確に弾くのは
誰にとっても至難の業であると改めて確認できた。




そんな中で、、

コンクール当時のdangthaison、速度は維持(6:21~)


さすが若き日のargerich 意外に楽譜通りで忠実(7:14~)


*ダントツの勢いとスピードsultanov(6:26~)
これは恐らく日本ライブ。コントロールが素晴らしい
弾きづらさを感じさせない自然な演奏。
この速度と勢いならわずかに違う音が入るのは仕方ないし気にもならない。

そういえば三者共にロシア奏法で有名だと今気付いた。

日本でロシア奏法を教えられる人が1割はいらっしゃるそうなので
学びたい方には紹介出来るよう努めたい。






長らくずっ…と気になっていた
scherzo2番のこの箇所を理想通りに弾けるのは
やっぱりsultanovしかいない(今のところは)
と再認識した秋の始まり。



独断と偏見がさらに深まる芸術の秋…






*sultanov推しとしては、
chopinコンクールでのscherzo2だけは
コンクールを意識してなのか
抑え気味控え気味で彼の持ち味が発揮されておらず推せない。
あの時は何よりfinalの協奏曲2番、
伝説の名演と言われるだけあって異次元に連れて行かれる。


16歳Tchaikovskyコンクールでは
もう少しで出来上がるような惜しい仕上がり、
と言っても減速して安全運転などというダサい事はせず
突っ込んで行くところが彼らしい。

千種区ピアノksmusicnc

名古屋市でピアノ、ソルフェージュの他、管弦作曲など他講師紹介、音楽に関する事なら総合的に対応しています。

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